今日も、ブログを見ていただきありがとうございます。
本記事は脱出歴5年の筆者が、実際に参加した謎解き公演の【感想記事】となっております。
ネタバレはありませんが、ほんの少しでも情報を入手したくない方はブラウザバックを推奨いたします。
・謎解き関連のエンターテイメントをお探しの方
・作成団体の雰囲気や傾向を知りたい方。
・脱出ゲームや謎解きの参加は「雰囲気」で決めたい方。
今回はかなり特殊なイベントのご紹介。
宿泊型の「体験型演劇」に参加してきました。
お値段2万円以上でかなり奮発して参加!
なかなかの価格帯!
宿泊もついていると考えると、価格も妥当か。
なぜ参加しようと思ったんだ?
今回の総合評価は謎解きは違うため点数はつけておりません。
どんな体験だったかをお届けするだけの記事になります。
ストーリーとしては人を選ぶ公演になっていました。
謎解き好きだと前作の方が楽しめたかもしれませんね。
【藍色飯店】の概要・ストーリー(背景)
概要(値段・人数・型など)
- 参加日時:2021年11月23日(火) 18:30~???
- 参加人数:1人
- 価格:24,000円
- 型:特殊型
翌日に有休をとって少し安めの日程で参加しました。(土曜日は26,000円になる)
イベント後は普通にホテルとして泊まるため、翌日そのまま仕事でも問題はなかったかも。
ホテルは大阪の中心に近い「弁天町」のHOTEL SHEで開催されたため、翌日USJにいったり、他の謎解きにハシゴできる立地の良さはありました。
あえて終了時間は記載しません。本イベントの体験として「時間旅行」という概念があるため、時間が確認できるアイテムを全て受付に預けることとなります。
そのため実際に何時に終わったかも参加者側も把握できておりません。(正確に言うとイベント終了時に返してもらえるんですが、あえて時計をみませんでした。)
全てが独特なイベントのため、人を選ぶ公演ではあります。ただ、『演劇の世界の中に入り込む』という体験を味わいたい人にはお勧めできます。
ストーリー(背景)
【背景】
とある港町にひっそりと佇む HOTEL『藍色飯店』。
人気の老舗ホテルだったが、創業百年を迎えた年に何の前触れもなく廃業することに。
しかし、取り壊されることも生まれ変わることもなく、今もこの港町に佇み続けている。藍色飯店は時間を忘れたホテル。
館内は白昼のようであり、真夜中の様でもある。
宿泊客自身も時を忘れるような極上の滞在を楽しむことができる。日々仕事や家事に追われるあなたはそんな誘い文句に導かれ、
二〇二一年秋に再び灯りを燈した『藍色飯店』にチェックインする。
手には差出人不明の招待状を握りしめて。ロビーには異世界に迷いこんだような異様な空気が流れていた。
(中略)
どのくらいの時が過ぎたのかわからずロビーにある時計を見るも、その針はピクリとも動いていない。
館内を散策しようとフロントに向かうと、
そこには “時を忘れた部屋を巡る旅” への切符が用意されていた──。
ストーリーとしても分かるようで分からない独特な設定。「時計が動かない」という世界に迷い込むことになるんだろうなということだけが分かっていました。差出人不明の手紙に、自分がなぜいざなわれているのか?など、勝手にストーリーを想像(妄想)しつつ実際にチェックイン。
チェックインからホテルは異様な雰囲気を放っており、謎のホテルに招待されたという感覚を味わうことが可能でした。幻想的なランタンとネオンが光る空間で、台湾や中国を想起させるような雰囲気。
なお、チェックイン後は「時を忘れる旅」に出るかどうか、そのタイミングは参加者に委ねられております。ただ、余程別の楽しみ方を求めていない限りは、システム的にも『すぐに旅に出ること』を推奨。
その後どう過ごすか、どうストーリーを体験するかは他の人に迷惑かけない限り、参加者の自由となっております。
気になる登場人物と多くの時間を過ごすもよし、全体のストーリーを追いかけるもよし、ご飯を食べるもよし。公式からも案内がありますが、2人で参加していても分かれて「自分だけの旅」を自由に形作るほうが、このシナリオには向いていた印象です。
【藍色飯店】の感想
良かった点、個人的に気に入った点
「登場人物がそこにいる感覚」は品質がかなり高かった。とある会話で登場人物に「失礼ですね」と怒られたりもしましたが、個人的にはそれがすごくグッときました。どうしても目の前にいるのは『役者さん』と思ってしまう自分がいたんですが、そこをぶん殴られた感覚。
目の間にいる人物は、その時を生きる「一人の人間」であることが徹底されていました。
その人間からしたら「自分に嫌なことがあったり、失礼な人がいたら不機嫌になる」ってすごく当然じゃないですか。
私が怒られたことは例えば「ドアをきっちり閉めなかった」的なすごく些細なことなんですが、だからこそ見逃さずにその登場人物からの指摘が飛んできたのはリアル。
「世界観を創り出す」というのはこういうことかと、改めて学びがありましたね。
国内外のイマーシブシアターに通って早4年。イマーシブはノンバーバルに限るなぁと想い続けた私の先入観が根底から覆されました!あんなに嫌だった劇中の会話がこんなにも素晴らしく思えるなんて。
セリフとシステムの仕組み、役者の技術が抜群に揃っていると思いました。
どうしよう。#藍色飯店 pic.twitter.com/GIMbx4siO4— yuka ohhama (@yukatyyyyy) November 24, 2021
「芸術」としての体験価値も非常に高かったと思います。
細かく設定された部屋ごとの小道具などは見ているだけで楽しかったです。ただし、「抽象的な設定」が多かったように感じるので、そういうタイプの絵画や演出が好きでない方にはナニコレ感につながると思います。
ここに関しては公式から色々と写真が出ておりますので、そこからでも雰囲気を感じ取っていただけると幸いです。
舞台美術を担当しています
泊まれる演劇『藍色飯店』
の記録をWebアルバムにUPしました。https://t.co/9LooWtWdF6ご宿泊予定の方は旅の後にでも。
僕が見たものと貴方が見るものは似ているようでもきっと違うので、皆さんの旅の記録もまた見せてもらえたらうれしいです。#泊まれる演劇 #藍色飯店 pic.twitter.com/m9VdH5OYsO
— 竹内良亮ryosuke takeuchi (@takebamb) November 15, 2021
悪かった点、個人的に気になった点
「全体を追いかけるのが難しい」点はマイナス要素になり得る。つまり、謎解きとしての体験を求める方には消化不良になる可能性が高い。
個人的には「全体がわからないのもリアル」と思ったためマイナス要素には感じておりません。が、ここは差が出る部分かと思います。
前作のMidnight Motelが謎解きとしても、ストーリーとしても「きっちり完結」する一方で、今回の作品は複雑な要素が多く、一人では全てを整理できない情報量でした。
もちろん同回の参加者と情報を共有することで、自分が見ていないストーリーなども把握することは出来るのですが、それでも全体像が掴みにくい。難しい映画をみている感覚が近いです。
最終的に全体的にはふわっとわかるのですが、なにか「答え」が明示されることはありません。
パンフレットが販売されているため、そちらでもしかしたら細かい設定などが明示されているかもしれませんが、私は購入しませんでした。
私が一夜の間に自分で体験した物語に「決められた答えはいらない。自分の体験・考察が自分だけの答え」と思ったので、自分の想いを心に秘めてホテルをでる方がいいなと思い購入をやめた次第です。
【藍色飯店】のまとめ
率直なところ24,000円の価値があったかと言われると少し高いなというのが正直なところ。(ホテルの一泊もついているものの、相場を考えると当然なんですが。)
自宅が近場であり「必要な宿泊ではない」ため、高く感じたのかもしれません。必要な宿泊にプラスが付けられると考えると、遠征に組み合わせる方が良いかも。
ただ、その体験価値は一級品のため、宿泊なしで1万円くらいのプランがでると非常に有難いです。それか「宿泊」がもっとストーリー上で必要な要素として、組み込まれると楽しみが増えそう。
舞台芸術・演出・演者さんが作り出す空間の統一感は見事。好きと嫌いが分かれる作品だと思いますが、だからこそ好きな人には刺さる作品。
謎解きが大好きという方にはお勧めしませんが、舞台が好きな方や、物語体験することが好きな方にはお勧めできます。
コロナの中で、実行することがかなり難しい部分が多かったと思いますが、それにも負けず実行して頂いたことに感謝です。
独特な体験を存分に味わえる良コンテンツでした。
役者さんの熱量を目の前で感じられるのは本当に面白い。
次回作もあれば参加を検討したいと思います。
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