ストーリー
今年の夏は暑かった。とにかく暑かった。とあるマンションの一室、厚井夏夫（アツイナツオ）は天井を眺めていた。昔から夏という季節が嫌いで、彼は夏が来る度辟易していた。海、夏祭り、浴衣に花火…夏を楽しむ人達が一定数いることは知っていたが、理解ができなかった。特に今年の夏の暑さといったらひどいもので、夏夫の心は限界を迎えていたのである。“このままでは死んでしまう”生命の危機を感じた彼は、とある広告を手に取った。『クールソーラーパネルシステム』太陽の光や熱をそのまま全て冷気へと変える画期的な冷却装置。通称”クーラー”。最新鋭の機器ということで値ははるが、クーラーの効果の絶大さは夏夫の耳にも届いていた。その日夏夫は、己の給料3か月分を引き換えに、永遠の安息を手に入れたのである。クーラーが夏夫の自宅に届く当日。自宅のチャイムが鳴り、クーラーの設置工事が始まると、その期待感からか、はたまた夏の暑さからか、夏夫は奇行へ走る。自宅に置いてあった、扇風機を始めとした暑さ対策グッズを自ら破壊する狂気の宴を開始したのである。クーラーの手に入る自分には、最早こんなもの必要がないという解放感が、夏夫をおかしくさせたのであろう。数時間後。夏夫は、汗だくで天井を眺めていた。夏夫の身体から奪われた感覚！なぜか起動しないクーラー！！迫り来る猛暑！！！一体、夏夫はどうなってしまうのか！？ーその日、室温は40度を超えた
結果・感想
（※本感想に、ネタバレは含まれませんが、雰囲気も味わいたくない場合はブラウザバックください）
結果
まず、結果からですが、なんと『完全クリア』の称号を頂きました！
なにが完全かとはこの場ではお伝えすることできませんが、公演余すところなく、がっつり楽しまさせていただきました。
ただ、残り時間的にはほぼ残っておらず、ギリギリ滑り込んだ感は否めません（笑
感想
まず、何よりも、ＧＭさんが役者さんということで、前説含め非常に小ネタが多かったです！
ワチャワチャした感じがすきな私は、いっぱい絡ませていただきました（笑
もちろん説明も非常に聞きやすく、ストーリーも「なんか実際にありそう感」があり、飲み込みやすかったです。
また、実際にＺＯＯＭを使って、リモートで冷房機器のない部屋に取り残されてしまった、アツイさんを助けていくんですが、アツイさんとのやり取りも非常に楽しかったです。（さすが役者さん）
これまでの文章だと、この脱出はエンタメよりで難易度低いかな？？という印象を抱かれるかもしれませんが、ギリギリだった制限時間と伝えたように、そうでもないです。
結構ガチ目の「探索」が必要です。
もちろんオンライン公演ですので、自分たちで探索はできませんが、それでも探索は必要です（笑
そして、本題の謎の部分ですが、ここも問題なく作りこまれています。
つまった時の誘導や、アツイさんが画面越しにいることもあり、親切です。
また、世界観に即した謎が多くそういう意味ではある程度のメタ解きもできます。
ただ、少し残念だったが、様々な情報がある地点で一気ぶわっとでてくること。
私たちは５人友人同士で参加したので、すっと手分けして情報の整理に当たることができましたが、初めての人や知らない人同士だと、ここですごい情報の非対称性がうまれる可能性あるかなと。
もちろんそこも含めて脱出ゲームの醍醐味ではあるんですが、「クリアに関連しそうな情報」をかぎ分ける嗅覚がある程度は必要かもしれません。
総合評価
ということで、楽しませてもらった公演でしたが、あくまで個人の点数としては以下です。
世界観 ： 7/10 （世界観にブレがないか。のめりこめるか）
斬新度 ： 5/10 （新しい仕掛け、謎が多いか）
ワチャ感： 9/10 （参加者が盛り上がれるような仕組みがあるか）
論理度 ： 7/10 （各小問や、大謎に不整合がないか。適切な誘導があるか）合計 ： 35/50
ということで、30点を超えていますので、「オススメ公演」となります！
インタラクティブな箇所が多く、積極性が求められる部分もありますので、仲間をそろえて参加するとより楽しめると思います。
ソロで参加される方は、ＺＯＯＭ越しの協力になりますので、他の仲間が「いま何をしているか」「次に何をしたがっているか」を頭に置きつつ、足りない分を補っていくとサクサクすすみやすいかもしれませんね。
タイトルどおり、猛暑からの脱出とのことで、2020年8月には終了してしまうようです。
残りの公演数もすくなくなっておりますので、是非興味のあるかたは公式ＨＰを訪れてくださいね。
【劇的ナゾ眼鏡さん】
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